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よくわかる『公共施設再生計画』

2時間目:公共施設再生計画のポイント(後編)

目的達成のための手法を学びましょう!

2015/10/07

1.施設の総量圧縮~規模を小さくしていく~

現在、公共施設に対する考え方としては「一つの施設に一つの機能」という考え方が主流になっています。つまり、公民館として建てられたものは公民館としてだけに使う、というものです。しかし今回の計画では、一つの施設に複数の機能を集約することを目指しています。そうすると各施設に共通するトイレや廊下、ロビーなどを一つにまとめることができるので、施設の数を削減(=更新費用の削減)しつつ、これまでの機能の総量を維持することができます。市ではこれまでにも機能を集約した施設をつくってきたことがありましたが、今後はそれを当たり前にしていこうと考えています。総量圧縮の手法には大きく分けて3種類あり、それぞれ次のようなものになっています。
1.複合化
一つの建物に複数の機能をもたせる。(例)小学校+公民館
2.多機能化
一つの空間を利用時間で分けて複数の機能をもたせる。(例)学校の体育館を休日に開放し、運動の場にする。
3.共用
トイレやロビー、廊下といったスペースなどを共通の機能として利用できるようにすること。(例)2つの建物を連絡通路で結び、共通で使用できるものは一箇所にまとめる。

2.建物の長寿命化~長く使っていくようにする~

計画的なメンテナンスによって建物を長く使う、と言いましたが、「計画的なメンテナンス(維持管理)」っていったい何でしょう?
まず一つは、「事後保全から予防保全へ」というもの。つまり、設備や建物が壊れたり不具合が起きたりしてから修理するのではなくて、定期的に部品交換などを行って性能や機能を維持しようというものです。基本的には予防保全を行うほうがコストが低く、また建物の寿命も長くなるのです。みなさんの健康と同じです。早めに対応することが大事ですよね。
もう一つは、ライフサイクルコスト(LCC)の考慮です。LCCとは、建物を建てて、維持して、壊すまでにかかる費用の総額です。これまでは、雨漏りがしたら防水工事、壁にひび割れが見つかったら修理、というように何かが起こってから対応していました。しかし今後は事前から計画的に保全していくことで常に良い状況を保ち、LCCの総量も少なくしていこうとしています。他の例で言えば電球も、白熱電球に比べてLED電球のほうが値段は高いけれども長持ちしますし、電気代も安いですよね。そういったことをふまえて建物や設備の保全を行い、費用を抑えていこうというのがLCCについての考え方です。

3.財源確保~必要なお金を見つけていく~

そもそもすべての施設を建て替えるお金がないということもあってこの再生計画を立案しているのですが、もちろん新たに財源を増やす手段を考えることも重要になってきます。将来的に税収が減ってくることが予想される中で、入ってくる税収だけを当てにすることはできませんし、さらにこれから社会保障費へ使う税金がどんどん増えていきます。
財源を増やす方法として考えているものの一つが、未利用地の売却や貸付です。施設の集約によって使われなくなった跡地を民間に売却や貸付をして、そこで得られたお金を適切に施設の更新費用にあてていく、というものです。その他にも基金(市の貯金)に更新費用を毎年積み立てていくことなどによって財源を確保しようとする計画が立てられています。また売却や貸付の場合、売却金や貸付金だけでなくその後に住民が住んだり企業活動が始まったりすることによって市民税や固定資産税が入ってくることにもつながってきます。

これだけじゃない公共施設再生計画!

……と、ここまで計画を見てくるとなんだか堅苦しいものにしか思えないかもしれませんが、その他にも
・コミュニティの活性化
・にぎわいの創出
・生涯学習の推進

などといった目的も、公共施設再生計画には含まれています。その一つの事例として、次回の授業で大久保地区での公共施設再生計画についてお知らせしようと思います!
以上が公共施設再生計画の概要となります。このような計画が、習志野市内の各地域で今後実施されていくことになります。各地域での詳細スケジュールや再生対象施設の一覧、また計画のさらなる詳細については習志野市のHPでご確認ください!