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よくわかる『公共施設再生計画』

7時間目:インタビュー コンサルタント 広瀬郁さん

習志野市の気合い、立地的な可能性、住民の高い意識が面白い展開を生む

2017/03/16

習志野市の公共施設を計画的に再生していこうという『公共施設再生計画』。
この一見すると難しそうな計画を、まいぷれ先生がわかりやすく教えます!

集約施設跡民間活用を検討しているまちづくりプロデューサーにインタビューをしてきました!

大久保地区公共施設再生事業で集約される4つの施設の跡地利活用を検討する、集約施設跡民間活用。
この検討を担当し、数々の自治体との共同プロジェクトにも関わっている株式会社トーンアンドマターの広瀬さんに、4つの施設の展望についてお話を伺いました。

株式会社トーンアンドマター 代表取締役 広瀬郁(ひろせいく)さん

撮影者:山平淳史
撮影者:山平淳史
東京生まれ。東京理科大学 横浜国立大学大学院 建築専攻卒業。外資系経営コンサルティングファーム勤務を経て、株式会社都市デザインシステムに入社。ホテルCLASKAでは、コンセプトメイキングから事業企画・プロジェクト推進まで総合的なプロデュースを担った。
2008年に株式会社トーンアンドマターを設立。横浜市「YCCヨコハマ創造都市センター」、金沢市「コッコレかないわ」など、数々の自治体との共同プロジェクトを手掛ける。

習志野市の気合い、立地的な可能性、住民の高い意識がコンサルティングを担当した理由

――これまでに手掛けてきた自治体との共同プロジェクトについて教えてください。

横浜市の「YCCヨコハマ創造都市センター」は、旧銀行の建物をリノベーションしてクリエイティブシティ政策(都市再生にクリエイティブな経済活動を活用する政策)の拠点施設にするため、民間の力を使って活性化できないか?ということでお手伝いしています。NPO法人を設立し、建物をお借りしてリノベーションを行い、運営をやらせていただいてます。

今回の習志野市もそうですが、行政サイドの予算でできるというものではなく、民間の力を活用して一緒にコラボレーションしようという時代になりました。民間側からも行政にしか出来ないことで事業連携していくモチベーションが高まっています。
他のエリアだと京都市、徳島県の上勝町などは公民連携事業に取り組んでいます。また、金沢市は民民ですがまちづくりを意識したパブリック性の高いプロジェクトです。これからは民間が公共の領域と思われていた事業をやる時代になっていく。僕たちは、行政や自治体と何かをやろうと思っているわけではなく、面白いプロジェクトであればやらせてもらいたいというスタンスで、公共と民間をつなぐコーディネートをしている感じです。

大久保エリアは、丁度いい感じ。単純に魅力がある。

――そういった中で、今回の習志野市・大久保地区に興味を持たれたきっかけは?

これだけちゃんと統廃合からの再編計画を進めているところはあまりないと思います。もともと大久保のコンペには可能性を感じて参加も検討したくらいです。シンプルにエリアに魅力があると思います。窪地の掘りこまれた公園は、人間が人工的に全部つくったわけではなく、丁度いい感じがして、そのポテンシャルを活かした計画が期待できますね。全部自分たちではつくれるものではない環境の与条件は大切です。遠くでも手を振るとわかるくらいの距離感、手前に緑があって街の風景が見える中庭感、それがいいなと思いました。

あとは地域の人たちが、反対か賛成かというよりは今回の計画への意識が高く、興味を持っていることですね。地域住民の関心がないまま施設ができても不幸なので、そういう意味で、地域の人たちを巻き込んで計画を進めていたのは非常に関心が湧きました。
公園はちょっとした窪地になっており、向こう側が見渡せる距離感
公園はちょっとした窪地になっており、向こう側が見渡せる距離感
――公共施設がいつの間にか建っていたという感覚は、市民として持ちがちですね。

今回の場合は統廃合するわけですから、今の機能を終える場所が出てきます。それはネガティブな話として捉えられがちですが、市民の方の中にはそれだけでない印象を持つ方も見受けられました。せっかく跡地を民間が活用するなら、地元の人にも納得をしてもらえるもの、ストーリーを理解できるものがいいなと思います。合理性を持って統廃合するシナリオに加えて、今後の活用の検討において「次世代、若い人のために」ということを上の世代が口に出すいい街だなという印象があります。
そういうところを大切にしたいですね。

集約後に残った4施設は、地域のニーズを捉えた活動や経済があるような場所に

――集約後に残された4つの施設はどのように使われていくのですか?

僕が決められる内容ではないんですが、民間が経済性だけで決めるのでなく、地域のニーズを捉えた活動や事業が行われる場所、社会性の高い事業を展開している法人の活躍の場所になると良いと思っています。ただし、事業継続性を高めるためには、民間の視点で事業検討を行う必要があるため、社会と経済性のバランスが取れたモデルを考察しています。
また、事業は担い手がいないと実現できないので、民間事業者がどんどん手を上げてくれるモデルでなくてはなりません。4つの施設はハードや立地などの特徴が全然違います。地域の特徴を生かした方向性を検討しています。
△4つの施設は京成大久保駅を囲むように設置されている

担い手や参画する人が「自分ごと化」できるようなきっかけ作りをしていきたい

――最後に4施設はそれぞれ特徴が異なるということですが、それぞれの展望を教えてください。

屋敷公民館は、表通りとは高低差のある旗竿状の敷地で、駅から少し遠いところにあるので、民間がどのように活用できるか課題はあります。一方でみなさんに愛されている施設で、公園が横にあるので潜在的な可能性も感じています。いい部分と悪い部分をどうやって実現に向けて落とし込んでいくかを考えて、様変わりするイメージは持っていて、面白くなると思います。
屋敷公民館
屋敷公民館
藤崎図書館は、消防署の上にあって建物自体に大幅な手を加えるのは難しいので、テナントの導入で新しい活用方法を考える必要があります。ただ一般的な商業テナントを募集しても、駅から遠いので難しく、また立地特性として学校や幼稚園があり、住宅地としては恵まれた環境なので、次世代をターゲットにした民設の公共的なサービスが成立する可能性を考えています。
藤崎図書館
藤崎図書館
生涯学習地区センターゆうゆう館は、比較的大きい敷地なので民間の開発と掛け合わせてコミュニティ・ビジネスの創業支援的な要素や、ハンディキャップのある方の社会参加の場所とセットにすることで、利活用しやすい敷地と思っています。リスク部分を見ながら、安く土地を貸す、売るといった仕掛けが必要ですが、とても可能性のある場所ですね。
生涯学習地区センターゆうゆう館
生涯学習地区センターゆうゆう館
あづまこども会館は、裏に隣接している国有地との連携を検討しています。旧耐震で狭く、古い建物に手を加えるのはメリットがなく、一般的には解体の方向になります。
あづまこども会館
あづまこども会館
――どの施設にも、それぞれの可能性があって楽しみですね!

いずれの施設も、地域の住民の方がバックグラウンドをちゃんと理解した上で、担い手や参画する人が明確な意義や愛着を持って自分ごととして参画できるのが理想的だと思っています。そのため、一般の人でも理解しやすいようにデザインされた資料制作を進めています。そうして、あらゆる可能性を広げていきたいと考えています。
以上、機能集約された後に残された4つの施設の展望についてお話を伺いました。
これからそれぞれの施設がどんな可能性を拓いていくのか、楽しみですね。

計画についてより興味が出てきた方、疑問に思うところがある方はぜひ習志野市のホームページで「公共施設再生」と検索して、より詳しい情報を見てみましょう!