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よくわかる『公共施設再生計画』

9時間目:インタビュー 東邦大学教授 朝倉暁生さん 後編

みんなの喜びが創出できるような、夢のあるブランド事業

2017/04/04

提供:習志野市

「公共施設再生計画」のアンケート結果。数字から見る市民意識とは?

アンケートからは、自分で何かをしなければという想いが見て取れる

――それはアンケートの中でも現れていましたか?

通常、アンケートにおける自由記述欄の回答率は10~15%が相場。ただ、今回のアンケートでは40%以上の方が自由記述に何かを書いています。地域にフォーカスしたアンケートで、自分たちの環境が変わってしまう危機感や、何かしなきゃという想いの現れかと思います。幾つか市民アンケートをやってきていますが、ここまで自由記述が書かれていたのは初めてのケースですね。

その一方で、「公共施設再生計画」のことを今回初めて知った方も半数くらいいます。客観的に見て習志野市は本計画の広報や説明会にかなり力を入れているので、町内会の活動、地域のPTA、子ども会、ママ友の会話など、既存の地域ネットワークの中に、こういうテーマを少しずつ入れていって、市民側が興味を持っていく動きが必要だと思います。
――今回のアンケートでは、
80%くらいの人が公共施設をあまり使ってない
・60%くらいの人が習志野市に愛着を持っている
・75%くらいの人が地域に不安を感じている
・70%くらいの人が「公共施設再生計画」のことを支持している
という 4つ結果が特徴的かと思うのですが、これらについてのお考えをお聞かせください。 


公共施設にも色んなものがあるので、一概にこの数字だけで高いとか低いとかは言えないと思います。機能も当然色々あって、これまで公共施設が担ってきた機能は、かつては公共でしかなくて、今だったら民間でできるようなもの(コワーキングスペース、貸し会議室など)もいっぱいあります。公共施設はセーフティネットのひとつでもあるので、残していく機能、必要なもの、新しく付加していくものとの仕分けが必要になってきます。

今回の調査はパーセンテージを見ているんですけど、やっぱり中身を見ていくことが大事ですよね。中身を見て、これは完全に民間のサービスで互換されているとなれば、それはいらないかもしれません。図書館ひとつとってみても、新書や中古本を扱う書店との違い、利用頻度と公益性の質について議論をする必要があります。

60%の方が愛着を持っている。すごく良い要素を抱えた街

――習志野市への愛着に関してはどうですか?

大久保地区は多くの学生が単身で住んでいる地域で、習志野市に住んでいるという認識が薄い学生もいるし、卒業すればこの街とは無縁という感覚を持ちがちな人が多く含まれています。ただ、そんな地域の割には、愛着や誇りが高いと思います。大久保地区では60%くらいの方が愛着を持っているというのがすごくいい要素です。

今回のアンケートではそこまでわかりませんが、住みたい街ランクに津田沼が入ったり、買いたい・借りたい街ランクで船橋がトップになったり、世の中的にもこの辺のエリアが注目されているということも高い数字の要因かもしれません。
――「公共施設再生計画」に対して70%の方の支持、期待というのはどう見ればよいのでしょう?

習志野市に対する意見の中で、今後の財政とか少子高齢化に対する不安はみなさんお持ちですが、公共施設そのものに加え、行政に対する効率性を問い直すひとつのきっかけという意味ですごく期待されているのかな、という気がします。

このアンケートをする前は、多くの人たちは公共施設を必要としていて、撤退に対して反対意見が多いのではというイメージを抱いていました。が、意外にも使わないならいらないし、むしろそういうことをきちんと見直していった方がいいじゃないのかというメッセージも受け取れました。今の世代の“つけ”が子や孫の世代に回ってしまうので、今から少しでも対策を考えていかないといけないという意識を多くの方から感じましたね。
千葉県で2番目に面積の小さい習志野市は、津田沼を中心に最近注目されているエリア
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――「公共施設再生計画」の今後の展望、こういう風に進んでいってほしいというのはありますか?

今自分たちがやっている活動は公益的にどんな意味があるのか、それぞれの団体や活動が考え始めたり、さらに質を高めていこうという動きがあるだけで、もっと多様な方が活躍する場ができたり、施設や地域に愛着を持ったりということにつながっていきます。習志野市というコモンズをより良くするために、一人一人何ができるかを考えていくようなエリアになっていくと、それがブランドにつながるのかもしれません。

※コモンズ…入会(いりあい)の意味

新しい施設、街づくりは、若い人とか子育てママさんとか、そういう人たちのアイデア、夢を実現できるような場にしたいですよね。サポートできる人はサポートすることで喜びを得られるし、夢が形になった人はそれ自体が喜びになるわけだし、みんなの喜びが創出できるような街になっていくといいですよね。「公共施設再生計画」は、すごく夢のあるブランド事業かなと思います。
以上、「公共施設再生計画」に関するアンケート結果の読み解き方、新しい街づくりのあり方についてお話を伺いました。アンケートから習志野市の特徴や市民の意識が読み取れるのも面白いですね。

計画についてより興味が出てきた方、疑問に思うところがある方はぜひ習志野市のホームページで「公共施設再生」と検索して、より詳しい情報を見てみましょう!

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