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よくわかる『公共施設再生計画』

1時間目:公共施設再生計画のポイント(前編)

まずは公共施設再生計画のポイントです!

2015/10/07

じゃあ全部建て替えちゃえばいいじゃん!

計画も何も、老朽化したなら全部建て替えちゃえばいいじゃん!なんて思う人もいるかもしれません。が、残念ながらそう簡単にはいかないんです。それには次のような理由があります。

1.お金が足りない

表1
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表2
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まずは現状から見てみましょう。施設を建て替えるためには当然お金がかかります。その出どころは市のお財布であり、つまりは税金です。実は現状の市の財源では、すべての施設を建て替えるだけのお金を捻出できないのです。
上の表1をご覧ください。習志野市の公共施設は約8割が築30年以上となっており、古い建物の割合が高くなっています。そして表2をご覧ください。現在の建物の大きさのまま全ての施設を建て替えようとすると、25年間で965億円かかります。1年あたりの平均にすると、約38億円です。今の習志野市では1年あたり15億円しか施設にお金をかけられないので、現状の財源では再生計画対象施設の約4割しか建て替えられないのです。

※建て替え費用の試算条件
・築60年(鉄筋コンクリート造)で建替えると仮定
・大規模改修と建替え費用を試算(小規模な倉庫等は除く)
・延床面積(平方メートル)×平均単価(円)

2.人口減少、少子超高齢化社会の進行

表3:(出典) 総務省「国勢調査報告」、同「人口推計年報」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」、国土庁「日本列島における人口分布変動の長期時 系列分析」(1974年)をもとに国土交通省国土計画局作成。
表3:(出典) 総務省「国勢調査報告」、同「人口推計年報」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」、国土庁「日本列島における人口分布変動の長期時 系列分析」(1974年)をもとに国土交通省国土計画局作成。
次に未来を想像してみましょう。少子超高齢化はとても大きな社会問題です。このまま進行していくと、人口減少のために税収が少なくなっていき、また年金・医療・福祉といった社会保障関係費も大きく増えていくことから、市の財政はより厳しくなっていくことが予想されます。表3を見ると、日本の人口が減っていくスピードにびっくりしますよね。
となると、今と同じだけの公共施設を保有していると、必要なお金が確保されないため適切な維持管理もままならず、将来世代の負担が重くなってしまいます。だからこそ、すべてを建て替えて現状と同じように公共施設を保有していくことは難しいと考えなければなりません。
むしろ、公共施設の数を減らしていくことが必要となるわけです。

以上のような理由で、老朽化したすべての公共施設を建て替えることは現実的ではないのです。

そこで答えの一つ。「“量から質”へ!」

そこで習志野市では、すべての施設を建て替えるのではなく、いまある施設がもつ複数の機能を集約して、建て替える施設の数を減らし(たとえば、一つの建物に公民館+図書館+スポーツ施設)、また建て替えた建物をこれまでよりも長寿命化させることによって、これから先の維持管理のコストを下げる計画を作りました。
公共施設(建物)は減らすけれども、必要な機能の総量は減らさず、さらに維持管理コストも下げる。そんな“量から質”への変化が起きようとしているのです。
この変化によって、公共サービスの維持と持続可能なまちづくりを目指そうとしているのです。言ってみれば、時代にの変化にいち早く対応していこうということですね。

ここまでを整理! 公共施設再生計画の目的とは?

ここまでを整理すると、公共施設再生計画とはただ単に老朽化した公共施設を建て替えちゃおう!というものではなく、市民のための公共サービスを可能な限り維持しながら都市経営や将来のまちづくりにつなげていく、私たち市民にとっても大きな意味をもつ計画なのです。
よって、まとめるとこの計画の目的は次のようなものとなります。
いかがでしょう?
公共施設再生計画について、なんとなくおわかりいただけたでしょうか?
次回の授業では計画の具体的な内容についてもご紹介いたします!