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ワンコイン♪ちょこっと手土産

パティスリー ラ・シェールの「ラ・シェール」

小さな大物。フレッシュなフルーツが乗ったチョコレートケーキ「ラ・シェール」。

12月23日。
もうすぐクリスマスだというのに、このところ彼女から連絡がない。
だったらお前から連絡しろ、という方も多いと思うが、いつも「先輩!来週行きます!」という、一方的な電話がくるだけなので、僕から誘ったことはない。できる気がしない。
しかし、やはり自分から声をかけてみるべきなのか。

いや、彼女の場合、「おさそい=プロポーズ」ととられそうでこわい。そこまでではないのだからして。

そんなことを考えながら、自分はいま彼女が住んでいるという谷津~津田沼あたりをぶらぶらと歩き続けている。もしかしたらどこかで偶然バッタリ!というかすかな期待を抱きつつ…


そのまえに、彼女は僕をどう思っているんだろう?

茶飲み友達?

いやいや、茶飲み友達という年齢でもないだろう。僕たちはまだ20代だ。若者の部類ではないか。

しかし、実際のところ、やはり“茶飲み友達”なのだ。それ以外のなにものでもない。彼女を見る限り、恋愛感情はみじんもなく、純粋に“茶飲み友達”を謳歌しているように思える。

そうか、それなら
「美味しい◯◯があるんだけど、コーヒー飲みに来る?」

と言ってみよう。それならどうよ。


では、その「美味しい◯◯」を探さなくては…

そんなことを考えながら歩いていたとき、僕は小さなケーキ店を見つけた。
「ラ・シェール」

スマホで調べてみると、フランス語で、“ 大切な、高価な、懐かしい” と言う意味だった。


「いらっしゃいませ」

と出てきた店主は、小さな店に似合わない大きなくまのようなおじさんだ。どちらかとういうと、獰猛ではなく、人懐っこい感じのくまだが、特に商品をゴリ押ししてくるわけでもないので、時間をかけて選んでいても居心地は悪くない。


ショーケースの中にはきれいで、可愛らしいケーキがところ狭しと並んでいる。これを手土産にもらって喜ばない人はいないだろう。

周りを見ると焼き菓子の種類も豊富で、こちらもよりどりみどり。店の中のあちこちに、くまがいた。分身…?
さて、どうしたものか。

可愛いケーキを選びたいところだが、彼女が来るという保証はまったくない。1人で素敵なケーキを食べる自分を想像するとさびしくなる…

しかし、彼女がこないと決まったわけではない。来るかもしれない。
僕は少し日持ちのする「ならし野マドレーヌ」を2個買うことにした。
何種類もあるマドレーヌと比べると一回り大きくて、高い。
「材料からしてちがう」のだそうだ。美味いに違いない。


ショーケースをもう一度見る。
クリスマスにケーキがないというのは、寂しい。買おう。

まるで小さなホールケーキのような「ラ・シェール」にした。
店の名前が付いているのだから、代表格なのだろう。


くまさんに見送られて店を出たとたん、

の、電話。






「あっ、先輩! いまおばあちゃんちからの帰り道なんだけど、これから行っていいですか? なんかね、ばあちゃんが先輩と食べろってうなぎ弁当買ってくれて。お出かけ中ですか?」

ああ、うん、いいよ。昼寝してたとこなんだ。


帰らなきゃ!
昼寝してるはずの僕は、ケーキに最大の注意をはらいながら、出来る限りのダッシュで、京成津田沼駅に向かった。

ラ・シェール。
ただのくまじゃない、福熊だ!