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編集部のつぶやき(千葉・船橋・市川・習志野)

【閉店】昭和の時代から愛され続けた千葉の名店「レストラン・カフェ&バー 馬酔木」が惜しまれながら閉店

大事な人を連れて行きたい憧れのお店として、多くの人にとって忘れられない思い出がつまった場所

千葉県建築優秀賞を受賞した趣ある建物(レンガ造り)




「2020年9月17日にレストラン・カフェ&バー 馬酔木が閉店」


8月某日 衝撃的なニュースが飛び込んできました。

馬酔木といえば、千葉では知らない人はいないと言っても過言ではない、今年で創業55年になる千葉を代表する言わずと知れた老舗の名店。

真っ先に浮かんだのは、新型コロナウイルス感染症による影響ですが果たして一体なぜ。


今回特別に、創業者の娘であり株式会社馬酔木 常務取締役 中島 理枝さんにお話を伺う機会に恵まれたので、閉店を決意した思いや忘れられない思い出などをうかがいました。

昭和の時代から、つねに時代の最先端を走り続けてきた馬酔木


洋食レストラン&酒処 馬酔木

昭和40年に市場町に第1号店となる「喫茶馬酔木」から始まり、昭和47年に新町に5階建てとなる2号店をオープン。らせん階段で有名なお店だったとか。当時としては珍しい、自家製ケーキとパン作りをはじめ、千葉県下で初となるジガーバーをオープン。昭和52年に串揚処 「馬酔木亭」オープン。本格的な酒処として名声をはせる。平成元年に富士見町で、ニューイングランド風のレンガ造りの洋館で新たなスタートを切り、初年度には千葉県建築優秀賞を受賞。各フロアで、喫茶・ビアレストラン・バーを展開。平成21年に、洋館の地下フロアーにてリニューアルオープン。

(引用 レストラン・カフェ&バー 馬酔木公式サイトより)

創業者であるお父様はどんな方でしたか?


中島さん「創業者である父は、千葉県で初めてジガーバーを始めたり、当時珍しかったハイネケン生をいち早く導入したり。発想やセンスが飛びぬけていて時代の二歩三歩先を行くような人でした」

華やかな時代を駆け抜けたなかで、思い出に残っているのは

在りし日の馬酔木を映像でふりかえる




中島さん「思い出に残っていることは沢山あるのでどれが1番思い出にと聞かれると難しいですが、『ベルサイユのばら』の著者池田理代子さんの40周年記念パーティーも思い出深いことのひとつです。2階のフロアでオペラを歌っていただき、2ステージを公演していただきました。全館をお客様で埋め尽くし、館内でおこっていることはまるで別世界の趣がありました。


日韓ワールドカップの時は、大活躍していたアイルランドの選手が家族と一緒に何度も訪れてくれたこともうれしかったです。


接待や会食だけでなく、男性が女性をエスコートして記念日やデートで利用してくださるお客様も多かったです。

毎年ご夫婦の記念日にコース料理を予約してくださるお客様、ホールケーキを毎年誕生日に注文してくださるお客様もいらっしゃいました。大事な人をもてなす場として利用していただき、私たちにとって大変ありがたく嬉しいことでした」

歴史的建造物を維持していくこと、名店の責任として最後の決断




中島さん「全館で営業していた当時、地下1階で全館の食事をつくってエレベーターで各フロアに運んでいたので、地下の厨房フロアは接客フロアの2倍以上とホテルの厨房なみの広さ。重厚感ある贅沢な造りのこの建物を、将来にわたって維持していく責任を考えると決断せざるをえませんでした」


新型コロナウイルス感染症による外出や会食の自粛も大きな危機でしたが、それだけが理由ではなかったそう。

消費税率10%引き上げや千葉市受動喫煙防止条例の施行、千葉パルコや三越千葉店の閉店、そして千葉駅前の再開発。人の流れが変わり、お買い物帰りにお茶をしていた女性客が姿を消し。時代の移り変わりや街の変化、そして馬酔木の利用のされ方も変わってきたことを近年感じてきた中での決断でした。


中島さん「断腸の思いでしたが、今後の馬酔木のあり方を考えて一旦閉じることを決意しました」

全てのお客様にお礼を伝えたいですが、お伝えできていないお客様が多いことが心残りです




中島さん「お会いしたお客様の顔やかけられた言葉などの思い出が頭に浮かび、閉店することが申し訳なくて。直接お伝えできていない方が多いのが心残りです。馬酔木を愛してくださるお客様のためにも、お店を何とか続けたい思いも強かったのですが…。


本来でしたら皆様とお会いしてご挨拶させていただきたい気持ちで一杯ですが、このような状況になりお集りの企画ができず大変残念に思っております。創業より55年間に渡り、馬酔木をご愛顧いただきありがとうございました。


みなさんの大切な記念日に、馬酔木を利用していただけたことに本当に感謝しています。

今後新たなる事業での新プランを計画中ですので、また新しい形でみなさんに何かお届けできればと考えています」

編集後記

編集部内でも、子どもの時に母に連れて行ってもらってそれから喫茶店やカフェが好きになった人、初めてのデートでドキドキしながら食事した人など、それぞれに忘れられない思い出がある人が多くいました。

Twitterで『#馬酔木の思い出』エピソードを募集したところ、上司に初めて連れて行ってもらった、仕事で悩んでいた時に相談にのってもらった人も。「馬酔木」は、ちょっと背伸びして大切な人をエスコートしたい憧れの場所として、半世紀にわたって地元で長く親しまれていたことが伝わってきました。

Twitterで忘れられない『#馬酔木の思い出』を集めました