小学生のときから計算の先取りを進めていたのに、中学生になって数学ができない生徒の相談をよく受けます。
中学数学までは丸暗記で乗り切っても、高校数学についていけなくなる人が後を絶ちません。
1.計算だけの先取りは効果が薄い
中学からの数学では方程式、関数、図形など、考える力を試される領域が重視され、計算問題の比率は少ないものです。中学校の定期テストであれば計算中心となるのは各学年の1学期(または前期中間)だけで、その後は方程式・関数・図形が中心となります。
千葉県公立高校入試でも計算問題は30点(100点満点)に過ぎず、それも多くの生徒が正答できる基本問題として出題されます。
そのため
「計算」にばかり時間を掛けても効果が薄いことが分かります。
2.計算は誰でもできる「作業力」
学習の初めから終わりまで計算だけを教える教室があります。子供たちは要領よく数字を拾い合わせて計算し、「できた」といいます。
しかしこれは「当たった」だけではないでしょうか。
これでは文章題や図形問題など考える力が試される問題になると、とたんにできなくなってしまいます。
計算はできるけれども「文章題」や「図形問題」ができないという悩みに直面する親子は多いものです。
計算は集中した反復演習さえ行えば誰でもできる「作業力」です。
わが子の将来を考えれば、「文章題」や「図形問題」にこそ、焦点を当てなければなりません。 なぜなら、そこで問われているのは「思考力」であって、全科目に大きくかかわり、かつ社会人として生き抜く上で役立つ基礎能力であるからです。
3.小学校のテストは簡単だから…
小学校のテストは簡単です。理解があいまいなままでも満点が取れます。
それに安心して理解不足の単元をそのまま放置していると、ある時化けの皮が剥がれたりします。
本格的に中学受験の学習を始めるときになってはじめて「算数ができない」と気づく親子も少なくありません。
「計算はできるけど文章題ができない…」という話をよく聞きますが、
文章問題になるとできないのは「何をやってるか分からないけど手順を覚えたから解ける」だけです。
もちろん計算の反復学習が無駄だということではありません。しかし、数学を得意にしたいのであれば、それだけでは足りないということです。
◆数学を得意にしたければ…
数学を得意にしたければ「算数」のマスターこそ重要ですが、必ずしも全ての項目を学習し直す必要は無いでしょう。理解不足の項目だけ学習すれば問題ありません。小学校で毎年175時間(45分授業)も掛けて授業を行う内容を全て復習し直すのは現実的ではありません。
しかし、困ったことに何を勉強したらよいかを選定することが難しいのです。数学教師であってもできるとは限りません。なぜなら多くの中学校の先生は、小学算数の指導をしたことが無く、理解不足の項目を特定することができないからです。
そのため中1で数学に躓いた生徒に「まだ数カ月だから今のうちに取り戻そう」などと安易な発言をします。それを信じて中学校からの復習をしても、原因は小学算数にあったりするので根本的な解決になりません。
小学算数、中学数学を一貫して指導してきたプロでないとできない作業です。
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