学習塾の目的は、高校受験に合格させるためだけか？

中３で受験が終わると多くの生徒が塾を去ります。そして、楽しい高校生活を謳歌して、すっかり成績を落としてから塾に戻ってきます。学区のトップ校に進んだ生徒も例外ではありません。

ただの通過点に過ぎないはずの高校受験が、いつの間にか生徒にとってのゴールになってしまうのは何故でしょうか？


◆学ぶ目的が分からない

小学校、中学校と頑張り続けることができた生徒たちが、高校生になった途端、勉強をしなくなるのはなぜでしょうか。結果、高校受験よりも大事な大学受験で「今から国立は無理だから…、早慶は無理だから…」のような妥協から受験勉強がスタートします。

社会では最終学歴を重視されるのに、小学生・中学生の時は塾に通うのに、高校の方が中学校より高度な学習をするのに、なぜ高校生になると勉強を疎かにするのでしょうか。

塾での指導を通じて、自分自身の学生時代の経験がフラッシュバックし、「ああ、自分だけじゃなかったんだ」と感じたことがありました。

小学生や中学生、高校生、大学生という学生という身分全体について言えることですが、彼らは勉強する目的をわかっていないということです。

小学校1年生の時に、なぜ今日から小学校に通うのかの説明を受けていません。
中学生になり、なぜ教科担任制にかわり、定期テストや受験があるのかの説明を受けていません。

説明があったかもしれませんが…覚えていませんね。高校はどんなことをするところで、といった説明も無いので、実力相応の、近場の普通科に進学する人が大半です。

これは要するに「何となく」で過ごしているということです。


◆目的が分からないから「やる気」がでない

目的、理由なく、事が進んでいることが、子供たちの学習目的をテストに置き換えさせているのではないかと思います。

もしかしたら学校の先生や親もその目的を教えていないから（わかっていないから）、子供たちは理解できていないのかもしれません。または考える時間を与えられているにもかかわらず、生徒自身がじっくり考えていないので、最短ルートを選ぶようになっているのかもしれません。

子ども達の中には、何となくは気づいていて「やらなきゃいけないものなんでしょ」程度の認識を持っている子もいます。

それは「義務」という捉え方しかできておらず、自分の将来形成においてどれほど重要なことなのかを落とし込めていない、この辺が実情ではないかと思います。

勉強する目的がわかれば、テストのために取り組むといったちっぽけなことでがんばるのではなく、もっと大きな目線で、自分の今の取り組みを見つめることができるかもしれません。そうすれば、中学も高校も同様に勉強し続ける意味が見いだせるかもしれません。

私たち大人は経験しているのでわかっています。目先の学校の定期テストも受験も通過点に過ぎないことを。でも大人を経験したことのない子供たちには、十分に説明しておかないとテストがすべてになってしまいがちです。


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