２０２１年から公立高校入試が、前期・後期の２回から１回になったことばかり注目されていますが、他にも様々な変更点があります。


●英語の試験時間が５０⇒６０分になった
「リスニングや読解問題が長くなるのでは？」という憶測が飛び交っていたものの、問題量は変わりませんでした。以前からあった英語の試験時間が短いという声に応えたものだと思われます。

ただ、出題傾向には多少の変更があります。

①長文（対話文）に記述式の問題が増えた
②英作文のイラストが１コマ⇒４コマに増えた

「②英作文」については、何を書けばよいのか明確になり、書きやすくなったと捉えてよいでしょう。
２０２２年では、今年度から新たに中学校の学習内容に仲間入りした 「仮定法」などの文法項目についても対策が必要となります。


●部活など学業以外の評価は限定的に…
公立入試は以下の４項目の合計で合否が決まります。

（１）学力検査の得点
　⇒原則は各１００点（５教科５００点満点）
　⇒理数、国際関係の学科は数学や英語を１．５～２倍にしているところもある

（２）調査書中の学習成績（中学校の内申点）
　⇒（９教科×５点×３年＝）１３５点をベースに、学校ごとに０．５～２倍で計算される。

（３）調査書中の記載事項（生徒会・部活・検定試験等）
　⇒５０点が上限となった （以前は２３０点の学校も…）

（４）学校設定検査（面接、作文、自己表現 等）
　⇒検査が１つなら１０～１００点、検査が２つなら１５０点のように上限が定められた

特に（２）～（４）はこれまで学校ごとの裁量に任されていたが、明確に上限が定められ、学力重視の傾向が強まりました。

ただ、この上限設定は県立高校に限られるため、市立高校（市立習志野、市立船橋など）は抜け穴になるかもしれません。また、選抜方法が2段階となりましたが、この件はまた別の機会に解説したいと思います。


●定員割れが５割を超え、二次募集は過去最大の１９３７人・・・

千葉県内は依然として７割の受験生が公立志望ですが、私立志向も高まっています。５年前１３．６８％だった県内私立志願者が徐々に増え、今回の入試では１８．４７％でした。

しかし、公立高校の定員は毎年見直しされること、今年の中３生は昨年より１２００人多いこと等の変動要因があります。今から今年同様に２０２２年入試でも公立高校が狙い目などと安易に考えるべきではありません。


●私立入試は実質、前期試験に一本化…
私立入試は前期、後期の２回試験があるものの、公立入試の日程が２月下旬となった影響で後期試験が2/5頃⇒2/15頃に後ろ倒しとなりました。その影響で、今年から後期試験を取りやめた私立高校が多く、2021年入試では前期募集定員13,151人に対して、後期募集定員は283人に過ぎません。実質、前期試験に一本化されたとみるべきです。


●気になる私立高校の変更点！

〇聖徳大付女子⇒光英VERITASに名称変更
　名称変更とともに共学化、初年度となった2021年度入試では50名弱の男子が入学し、硬式野球部も活動を開始。

〇専大松戸はA類に第一志望入試を導入、一般入試では５科目受験を導入
　上位私立で５教科入試が増えてきました

〇八千代松陰でAEM （英数特進） コースが新設
　医学部、海外の大学への進学も目指すためのコースを新設。今後の進学実績については要確認。全体的に生徒数が増加傾向。　

〇千葉日大第一は特進と進学を分けて募集
　前年に志願者が大幅減だったことへの対策か。（今までは自己推薦だったが）校長推薦も導入。　



当教室のホームページでは塾生とその保護者様限定で令和3年(2021年)千葉県公立高校入試のレポート（出題内容・傾向の詳細）を公開中です！（下の「関連ページ」より「ホームページ」へお進みください。）


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