文部科学省より、英語民間試験の導入を断念するとの発表がありました。
文部科学省の公表している検討会議の資料によると。大学側も否定的な意見が多いのだから、現場の意見を無視した改革に歯止めが掛かり、結果的にはよかったのだと思います。
そもそも英語4技能民間試験を導入すれば、学生たちの英会話力が向上するという、科学的根拠も示されていません。
◆いまやどこの私立学校も英語教育を推進
さて、
ここ数年、どこの私立学校も英語教育の推進がアピールしていました。
とある私立高校の入試担当者が以前に「
難関国立大学や難関私立大学では(英語の試験が)これまでどおりのところが多いものの、英語教育の推進をアピールしないと生徒が集まらない」と話していました。
大学入試は英語と数学が合否を分けます。文系の私大入試の場合は英語が合否を分けます。多くの受験生が英語と数学の出来によって志望校を選びます。
ところが私立中学・高校として数学教育の推進をアピールすると、特に女子生徒に敬遠されてしまいます。それに対して英語教育の推進は男女問わず関心が集まります。
英語教育の推進アピールは、大学入試に効果的か、将来の英会話能力向上に効果的かはさておき、生徒集めには非常に効果的に作用します。
数週間の海外互角研修や、数日間の海外修学旅行に行ったくらいで英会話能力は身につくのであれば、もっと多くの日本人が英会話をマスターしているはずです。
◆外国人講師が効果的とも限らない
初~中級者レベルの英語学習者では、ネイティブ教師よりも英語の学習法を熟知した日本人教師の方が効果的な指導をできることが多かったりします。
英語がネイティブというだけで、実は英語教授法をあまり理解していない外国人講師が学校にも英会話教室にも少なくありません。
今はどこの私立も英語教育に力を入れているのだから、どこの私立学校を選んだところで差はつきません。実際には差がつく可能性もありますが、どこも同じような取り組みをしているのだから、公表されている資料から判断することは困難ですね。
◆4技能試験対策特化は非効率
そもそも
大学受験英語と
英検などの4技能試験とでは出題傾向が大きく異なります。
注意すべきは大学受験英語対策に特化した学習をしている受験生が、直前だけ英検対策をしても合格する可能性は高いものの、その逆は難しいということです。
英検の場合は、出題傾向もほぼ決まっていて、合格のためのテクニックもかなりの精度で研究されています。ある程度の基礎さえできていれば直前の学習だけでも対策しやすい試験です。
付け加えると、英検は文法問題に関する難易度が低く、語彙力が勝敗を分けます。それに対して大学受験英語は、語彙力も大事ですが、難関大学ともなると複雑な文法問題への理解が必須となります。
英検合格に特化した学習をしている場合は、文法学習が疎かになりがちで、なかなかスムーズに大学受験英語への切替ができません。
結局のところ、見掛け倒しの4技能対策ではなく、基礎・基本を大事に指導していく方が効率的なのではないでしょうか。
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