ドイツの詩人、フリードリヒ・フォン・シラーは、「簡単なことを完璧にやりとげる忍耐力を持っている人だけが、難しいことを難なくこなす能力を身につけることができる」と言いました。受験勉強においても、この言葉はそのまま当てはまります。基礎基本の習得が、応用問題を難なく解くための必要条件なのです。
応用問題を難なく解く人たちは、基礎基本を完璧にこなしています。しかし、基礎基本を完璧にした人全員が応用問題を難なく解けるわけではありません。基礎基本を完璧に仕上げ、そのうえで応用問題を解く練習を十分にした人だけが、応用問題を難なくこなす能力を身につけるのです。
受験勉強における応用問題とは、入試の過去問や入試レベルの問題のことです。基礎基本を完璧に仕上げてから応用問題(過去問)に取り組んだところで、いきなりスラスラ解ける人は滅多にいません。はじめはほとんど出来なくて苦戦するのですが、繰り返し練習するうちに正答率が上がっていきます。基礎基本を仕上げるのと同様に、入試レベルの問題にも時間をかけて取り組む必要があります。
さらに、受験勉強では入試日程という「期限」が定められていて、一般的な塾のカリキュラムでは入試が差し迫った時期まで基礎基本(新たな単元)の学習が続くことも少なくありません。このような状況下では、多くの受験生は基礎基本が仕上がらないまま応用問題に移ったり、同時進行で進めることになります。
基礎基本をマスターした後であれば、かなりの確率で習得できる応用問題も、中途半端な状態で取り組むのだから結果は一か八かです。かと言って、まだ基礎基本が未完成だからと応用問題を後回しにすると、受験日に間に合わなくなります。
応用問題に取り組みはじめると、問題を解けないばかりか、解説を読んでも理解できない問題が多く、精神的にも負担になったりします。今までの学習ではダメだったのかと悩んでしまうんですね。基礎基本が完璧に仕上がるまで応用問題を後回しにし続け、結果的に応用問題を習得するための学習時間を確保できずに残念な結果となる受験生が多いことを考えると、早め早めに過去問演習は始めてた方が成功しやすいです。
すべてが完璧になったと思い、ようやく過去問に取り組んでも、実は基礎基本が不十分だと認識するのが遅くなるリスクも回避しやすくなります。
入試を有利に進めるためには、早め早めに基礎基本を固めることが大事ですし、同じくらい早め早めに応用問題に取り組むことも大事です。
なお、受験における基礎基本とは、学校の教科書内容であることに注意してください。例えば、子ども英語教室や計算教室のように、暗記の負担が無いよう少ない語彙数だけで楽しく勉強したり、取り組みやすい計算単元に絞って無理なく取り組むだけでは、受験勉強の基礎基本としては不十分です。
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