経済産業省・環境省・文部科学省より、アシスト習志野校も所属する全国学習塾協会へ、トライグループが提供する無料映像授業サービスで「水俣病は遺伝する」と誤って紹介されたことについて注意喚起がありました。
「妊娠中の母親が体内に摂取したメチル水銀が胎盤を通り、胎児が水俣病を発症した」という事例を、講師が“遺伝”と語ってしまった――それだけで済まない問題です。水俣病をめぐる差別や偏見を再燃させかねない、きわめて重い意味を持っています。
“映像だからこそ” ミスに気づけた側面
今回、動画のスライドにミスはなく、講師の口頭説明に誤りがありました。撮影後に社内チェックが機能していれば公開前に修正できたはずですが、それでも動画として記録が残っていたからこそ外部から指摘され、訂正と謝罪につながったのも事実です。
もし同じような誤った解説が対面授業で起こっていたら、授業は記録に残りません。そもそも水俣病について始めた学ぶかもしれない生徒たちはおかしいと感じることも無く信じてしまう可能性が高いように思います。仮に正しい知識を持っている生徒がいておかしいと感じても、その場で声を上げるとは限らず、誤った情報がノートに書き写され、家庭や学校の友人に共有されてしまう危険性もあります。
学校と塾――「自由度」の裏に潜むリスク
今回の動画を確認できていないため推測となりますが、背景に塾の授業ならではの自由度があるのではないか、と私は考えています。
学校の先生は学習指導要領に沿って授業を構成し、教科書の記述をあまり逸脱しません。一方、塾は「得点を伸ばす」ことが第一目的です。覚えやすさを優先して、講師オリジナルの解説や語呂合わせを大胆に取り入れる場合もあります。
たとえば——
239(兄さん苦しい)年、卑弥呼が親魏倭王の称号を受けた。
「女性が王になったから、お兄さんは肩身が狭くて“苦しい”――だから239年!」
卑弥呼に兄さんがいたという記録は確認できていないので、これはウソの情報を含んでいるのですが、テストで問われない卑弥呼の兄の有無を持ち出して印象づける、そんな“創作”は珍しくありません。点数には直結しても、事実としては誤りを含むため、兄がいたという記録はないということも伝える必要があります。今回の事案は、ニュースを見る限り中学生向けの社会の授業ということなので、テストで論点になるとは思えない内容に言及したことになります。もしかすると本来であれば教えなくてもよいところを「印象に残る話を」とアドリブで踏み込みすぎた結果なのかもしれません。
ミスを恐れて止まるのではなく、“検証可能”な学びを
人が教える以上、ミスを消し去ることはできません。
大切なのは、誤りが起きにくい仕組みを作ること、万一の誤りをすぐに検証・訂正できる可視性を確保することです。
正しい知識を、正しいかたちで
水俣病問題は、単なる“受験知識”ではなく、人権や環境を学ぶ上で避けて通れないテーマです。だからこそ、私たち教育に携わる者は事実を丁寧に伝え、誤解や偏見を芽生えさせない指導を徹底しなければなりません。
アシスト習志野校は今後も、映像教材と対面サポートの双方で「検証可能な授業」 を追求し、生徒と保護者の信頼に応え続けます。もしご家庭で教材の内容に疑問を感じたときは、遠慮なく教室までお知らせください。私たちは、“気づき”を次の改善につなげることを何より大切にしています。
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