先週から英検(一次)の成績表の返却をしています。約30名、外部生も受験してくれて、すでにほとんどの方に結果を取りに来ていただきました。外部生とその親御さんに結果をお返しする際は、基本的にはお渡しのみなのですが、先日は残念ながら不合格になってしまった外部生の保護者の方と、少しだけお話をしました。
そのお子さんは不合格だった理由を、「英作文を最後まで書く時間がなかったから」と話していたそうで、保護者の方も「時間管理が課題のようです」とおっしゃっていました。
もちろん、解答用紙は手元になく、実際の答案も確認できないので断言はできません。ただ、成績表を見る限りでは、「最後まで書けなかった」というよりも、内容がずれていたり、文法的なミスが多かったために、合格点に届かなかった可能性が高いと感じました。
また、別の日には、入塾したばかりの高校生と話をしていたときのことです。「まずは基礎基本の問題を確実に正解できるようにしよう」と伝えると、その生徒はこう言いました。
「(定期テストでは)数学は難しい問題ばかり出るんですよ」
だから基礎基本レベルの問題ばかりやっても無駄だ、と言うのです。
しかし、実際の定期テストの問題を分析してみると、約6割は基礎基本レベル(当塾のテキストや学校で配布されている問題集における基礎基本レベルの問題の類題など)で構成されていました。確かに4割近くは応用・発展問題ですが、「基礎基本が出ない」というのは、完全に思い込みでした。
どちらのケースも、「子どもの言うことを額面通りに受け取ると、対応を誤ってしまう」という点で共通しています。
◆言い訳を生む子どもの心理
では、なぜ子どもたちは「時間が足りなかった」「難しい問題ばかり出る」と言うのでしょうか。それは、「勉強不足でできませんでした」と正直に認めることが、とても難しいからです。
・勉強不足を認めると、プライドが傷つく。
・親や先生に「サボっていた」と叱られるかもしれない。
こうした不安から、自分を守るために「言い訳(その場しのぎの理由)」を探してしまいます。これは、自己防衛本能としては自然な行動とも言えます。
◆言い訳を“本質”だととらえない
たとえば保護者の皆様が、
「そう、この子は時間管理が苦手で……」
「学校で配られた問題集から出題されなくて……」
といった、子どもの言い訳を“そのまま”受け入れてしまうと、どうなるでしょうか。
子どもは
「(本当は勉強不足だけど)時間管理のせいにすれば親も納得してくれる」
という「間違った成功体験」を積んでしまいます。
その結果、本当に向き合うべき「勉強の中身」「学習時間の確保」といった本質的な課題から、目をそらし続けてしまう可能性が高くなります。
私たち塾の役割は、その言い訳やその場しのぎの嘘を頭ごなしに否定したり、責めたりすることではありません。
嘘をつかざるを得なかった背景(勉強不足から目をそらしたい気持ち)を理解したうえで、冷静に「本質的な課題」に光を当てることだと考えています。
子どもの言い訳は、学習上の課題が隠れているサインです。
そのサインを見逃さず、「ごまかしが通用しない、本質的な学習」に引き戻してあげること。
それこそが、ご家庭と塾が連携して行うべき、大切な指導だと考えています。
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