石井講祐選手（SG・背番号27）に初めてお会いしたのは、開幕前の8月30日に行われた「ポスター掲示大作戦」のときでした。

千葉ジェッツの事務所にうかがうと、先輩の選手よりも早く到着して会議室に座っていたので、なんとなく自己紹介。
「船橋出身なんです。船中（船橋市立船橋中学校）で、高校は佐藤博紀さんと同じ八千代、ポジションも同じです」と、スポーツ選手にしては随分と物静かな感じだなという印象を受けたものです。

その後、千葉ジェッツ練習生としてチームに帯同しながら、プロ契約を目指してきた石井選手。ようやく願いが叶ったのは、シーズン中盤の1月のことでした。

2月8日に墨田区総合体育館で行われた兵庫ストークス戦では、出場機会を得られませんでしたが、昇格の喜びを語ってくれました。

「練習生の期間が半年くらいあっての昇格なので、素直に嬉しかったのですが、まだメンバーに入れたという段階なので、プレータイムを勝ち取るために、ここがスタートラインだなと思いました。
練習生としていっしょに頑張ってきた星野拓海選手からは「おめでとうございます」と言われました。
八千代高校の偉大な先輩でポジションも同じ佐藤博紀選手の背中を見ながら頑張ってきて、少し近づくことができました」

実はこの日の試合中は、ヘッドコーチに近い位置に座り、ずっとボールを触っていた石井選手。
「いつチャンスをもらっても試合に入れるように、気持ちを試合に入れて、意識的にベンチから立ち上がったりしてアピールしてました」

この日は出番がまわってきませんでしたが、前の週に行われたアウェイのアイシンシーホース三河戦でNBLデビューを果たしました。
「緊張もしたけど、すんなり入れました。出てすぐ1本シュートを打てたので、それでだいぶ落ち着けた気がします。
外国人選手がいるチームとやるのは初めてですが、インサイドの高さやリバウンドで違います。相手の外国人選手にブロックされないように、工夫してシュートを打たないといけません。いろんなところに気を使わないといけません」

「3ポイントシュートが得意です。フリースローも入れます。シュートのところで、チームに貢献できればと思います」とキッパリ。絶対的に自信を持っている様子でした。
「少しでも試合に出てチームに貢献できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします！」とブースターにメッセージをいただきました。

そして、待ちに待ったホーム初出場＆プロ初得点は、2月16日に浦安市運動公園総合体育館での三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋戦でした。

石井選手の名前がコールされると、もちろん大声援です！
「ホーム初出場で、声援は聞こえました。まだアウェイでしか試合に出たことなかったので、ホームで歓声をたくさんもらってやりやすかったです。
3ポイントの1本目が入ったときはホッとして、2～3本目はすんなり投げることができました。最後の大事な場面でのシュートも、博紀さんの次は自分と任せられて、やっぱり悪い気はしないですね。
今日はホームデビュー戦だったんですけど、声援いただいてありがたかったです。それをまたプレーで返せるように頑張ります！」

その後の活躍はみなさん、ご存じの通りです。
次第にプレータイムも増え、3月9日以降は毎試合出場、最近ではスターティングメンバーに定着しつつあります。

ホーム最終戦を前に、4月12日の千葉ポートアリーナでのトヨタ自動車アルバルク東京戦の後に、お話をうかがいました。

「プレータイムを多く出してもらえるようになってから、もともと武器だった3ポイントシュートでチームに貢献できているという手応えは感じています。ただ、1対1のディフェンスでチームに迷惑をかけているときがあるので、そこをこれから克服していかないといけないと感じています」
当初は外国人選手との試合経験がないとおっしゃっていましたが、臆することなく対峙することができるようになったそうです。
「外国人選手とのプレーも、コミュニケーションがとれるようになってきたし、やりたいプレーもシーズン通してわかってきたので、もう問題はなく対応できています」

ところで、石井選手は感情が表に出ないなぁと、みなさん思いませんか？　試合中にガッツポーズがないですね～とお聞きすると…
「もっと表に出したいのですが、試合に集中しちゃって出せてないです。余裕がでてきたら出せると思うんですよ。
残りの数試合は強豪との対戦が続くので、どれだけの勝負ができるのか、チームとしても個人としてもハッスルしてがむしゃらにやるところをブースターのみなさんに見ていただきたいと思います」

強豪にはスタープレーヤーもいっぱい。勝負を挑んでみたい選手はいらっしゃるのでしょうか。
「岡田優介選手（トヨタ自動車アルバルク東京）は学生のときからすごい人だなと思っていたのですが対戦したことがなかったので、今日実際マッチアップしてみて、そのすごさを肌で感じました。そういう選手たちとやれてすごく楽しいです。
リンク栃木の古川孝敏選手は東海大学の同期です。東芝の辻直人選手は学生のときからよくマッチアップしていました。なので、勝たないといけないと思っています。
残り試合少ないのですが、1試合1試合ハードなプレーをするので、熱いご声援をお願いします。最後は船橋なので、ぜひ会場に足を運んでください！」

石井選手のあきらめないディフェンスや、隙あらばスティールを狙うスピード、そして確実なシュートチェックと、ぜひ小中学生にもお手本にして欲しいなと思います。
3月22日、アウェイで戦った兵庫ストークス戦の22得点が、現在のところ最高得点記録。ぜひこれを上回る得点をあげ、シーズンハイを船橋アリーナで記録し、興奮の渦を巻き起こして欲しい！　そして大きなガッツポーズを見たいですね！！