ビジネスにおける問題解決の手法として、PDCAサイクルが知られています。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を図る手法のことです。
保護者の方の中には、PDCAを使って我が子の教育をしようとする方がいます。
また、最近は学習塾でもPDCAサイクルを取り入れようとする、あるいは取り入れていることをアピールする塾が増えたように感じています。
学習塾で、このようなビジネスの手法が取り入れられている経緯としては、大手塾を中心にフランチャイズ化が進み、他業種で働いてきた脱サラの教室長が増えたことも要因の一つでしょう。
しかしこれまで、塾業界でPDCAサイクルが浸透してこなかったことには理由があります。
それはPDCAサイクルが非効率だからです。
通常、何か問題が起こったり、課題がある時には、これまでに蓄積した知識・経験・ノウハウにより行動を起こして解決します。
しかし、未知の課題に取り組むとき、まだまだ改善の余地があるかもしれないというときには、PDCAサイクルを使います。
明確な正解が分からないから、少しずつでも改善していけるように、PDCAサイクルがあるのです。何でもかんでも課題が見つかるごとにPDCAを回していては、時間が掛かって非効率です。
つまりPDCAサイクルとは、明確な解決策がわからないときに活用する手法であって、すでに解けるようにすべきゴール(入試問題)が明確な受験指導において、必ずしも効果的な手法ではありません。
もちろん、受験までにいろいろな課題が見つかり、悩んでしまうこともあるはずです。一人ひとりに様々な課題もありますが、それを解決するために、イチイチPDCAを使っていては、受験生の貴重な時間を浪費します。
塾講師の知恵と経験とノウハウで取り組む方がはるかに早く解決できるはずです。
もちろん、独学の受験生や、知識や経験の乏しい指導者であれば取り入れる価値はあります。
多くの人にとって受験とは人生に1~2回しかありません。
それも中学受験や高校受験と、大学受験とでは対策の仕方も違うのだから、過去の経験だけで、最初に立てた学習計画が効果的であるとは限らないため、適宜、見直しが必要です。
ですが本来、学習塾というのは、合格させるための、再現性のあるノウハウがあるからこそ成立するビジネスです。
たった1人や2人が合格できただけではなく、多くの生徒が取り組んでも同様の効果を得られる指導ノウハウを武器に仕事をしています。
入試の傾向が変われば、それに合わせて教材を変えたり、カリキュラムを変更したり、良い教材を見つけたらそれの使用を検討したり、塾として改善していくべきことはたくさんあります。
でも、受験生が自分でPDCAを回すことは、独学でない限りはおススメしません。
塾に通っているのにPDCAサイクルを回して独自の解決法を模索する行動は、受験に合格するための塾のノウハウを無視して、効果の不透明な方法を選択する行為に他なりません。
困った時は先生に聞いた方が早いですよね。
ただ、生徒のやる気を引き出すために学習計画を自分で考えさせて、PDCAサイクルを活用して意見を誘導してあげるなど、PDCAサイクルの表面的なやり方を取り入れることが効果的に機能する場合はあります。
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