「受験年度になったらやる気を出してくれるのではないか?」
「受験が近づいたらやる気を出してくれるのではないか?」
このような期待をする保護者の方もいますが、残念ながらやる気は都合よく出てきてくれるものではありません。やる気は引き出してあげるものであり、育てていくものだからです。
たとえば初めて登山をする人が山頂までの道のりで、やる気が上がるのはいつでしょうか。
①登山開始前と開始直後
②頂上付近
このどちらかという人が多いのではないでしょうか。
始める前、開始直後は登山の大変さがわかっていないので、初めてのことに対するモチベーションも上がりやすいです。しかし、だんだんと疲れてきますし、暑さや寒さ、虫などイヤな面も見えてくるのではないでしょうか。
ですが、それを乗り超えて山頂が目前に迫ってくると、急にやる気が出てきたりします。
つまり、やる気が出やすいのは、大変さを知らず楽しさばかりが目についている時期と、ゴールが明確に見えてきた時期です。山頂が目前に迫るところまで足を進めるためには、コツコツと努力を続けなければいけません。
これを受験勉強に当てはめると、やる気が出やすいのは次の通りです。
①これから本格的な受験勉強を始める前、塾選びの時期
②受験日が迫っているか、成績が合格圏内である状態
①は、まだ本格的に勉強を始める前は、受験勉強の大変さを知らないから期待に胸を膨らませています。新しいことへのチャレンジ、新しい環境に飛び込むことでやる気が出やすいです。
その次にやる気が出やすいには、②合格することが現実味を帯びてきた時期です。合格への自信が高まり、このまま頑張れば合格できると思えるとやる気が出ます。
くり返し登山をしている中上級者などは登山の楽しみをわかっていて途中の苦労が気にならなくなってくるのと同様に、成功体験をたくさん積んで大人になった人たちは厳しいことを乗り越えたあとの成功を信じやすいのですが、人生の中で1~2回しか経験しない受験勉強において、子どもたちは日々の学習に対するモチベーションを維持し続けるのはそれ相応に大変なことです。
少し厳しいことを言うと、他人の合格体験記などを読んで、受験が近づいてくると勝手にダラダラと過ごしている子が突然にやる気を出すことはまずありません。受験に向けて着実に努力を重ねていくうちにやる気は湧き出てきます。
このような子どもの心理状態を考慮すると、よくある失敗として、はじめは無理なく、少しずつ学習時間を増やしていこうとする戦略が挙げられます。スタート直後のやる気が上がりやすい瞬間を無駄遣いしやすいです。この時期を逃すとやる気は下がりやすいので、あとから時間を増やしていこうとすると子どもの反発も大きくなります。
少しでもやる気のあるうちに、学習習慣をつくってしまうことが望ましいです。
そのために意識したいのは、節目の時期です。学年が上がる時期、塾に入る時期、季節講習が始まる時期、このような節目にしっかりと学習量を増やし、はじめに学習習慣をつくってしまいます。子どもの頃には一生懸命に練習した歯磨きや着替えが当たり前の習慣となるように、勉強するのが当たり前の環境さえ整えることが出来れば、やる気に左右されにくくなります。
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