私は仕事柄、同年代の方よりも文字を書く機会が多いと思います。
パソコン入力も多いのですが、手書きの作業が意外と多いです。
そのため、文房具には少しこだわりがあります。
社会人になってからは、ボールペンよりも万年筆を使うようになりました。
万年筆は筆圧をかけずにスッと書けるので、手が疲れにくいのが大きな魅力です。
最近は価格も手頃で、書きやすい万年筆が増えています。
最近、愛用しているのは、セーラー万年筆の「TUZU アジャスト 万年筆」。
万年筆としては比較的お手頃な価格にもかかわらず、昔かった数万円する高級モデルよりも書きやすいので少し複雑です。
気に入りすぎて、今では色違いで4本そろえ、インクの色ごとに使い分けています。
驚いたことに、塾の高校生の中にも同じ万年筆を使っている生徒がいました。
「先生、それ、色違い持ってます!」と声を掛けてくれました。
万年筆を使う理由は「疲れない」だけじゃない
もちろん、万年筆を使う一番の理由は“疲れにくいから”です。
しかし、実はもうひとつ、教育現場で役立つ実用的な理由があります。
万年筆はインクを混ぜてオリジナルの色を作ることができるのです。
私はこの特徴を活かして、授業やテストの採点で色を使い分けています。
たとえば、
最初の丸つけ:赤色
直しの丸つけ:青色
再確認の丸つけ:緑色
というように、段階ごとに色を変えています。
しかも私の「赤」は既製品ではなく、赤とオレンジのインクをブレンドした“オリジナルの赤”。
これが意外と便利で、一般的な赤ペンとは微妙に色が違うため、生徒がこっそり自分で丸をつけて誤魔化しても、すぐに分かるのです。
子どもは「ズルできるならズルする」もの
人間というのは、不思議なもので、「バレない」と思うと、ついラクな方に流れてしまうものです。
これは大人でも同じ。ましてや子どもなら、なおさらです。
勉強においても、「ちょっとだけ誤魔化してしまおう」という気持ちは誰にでも起こり得ます。
それを“意志の弱さ”と責めるよりも、ズルができない仕組みをつくることのほうが大切だと感じます。
万年筆の赤インクひとつにしても、「ウソをついてもすぐにバレる」「誤魔化すより正直にやった方が早い」と自然に学べる仕組みです。
そうやって「正直に向き合う方が結局得だ」と感じられる経験を重ねることが、勉強への姿勢を育てるのだと思います。
おわりに
万年筆は、私にとって“疲れない筆記具”であると同時に、
生徒たちの学びの中に「誠実に取り組む文化」を生み出す、ちょっとした仕掛けでもあります。
文房具ひとつにすら、教育の工夫は潜んでいます。
「努力を支える道具」そして「ズルができない仕組み」
そんな小さな仕掛けが、生徒たちの成長を支えていくのだと日々感じています。
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