仕事の内容にもよりますが、時には多少のミスを許容してでも納期を優先せざるを得ない場面がありますよね。学生時代は記憶力に自信があっても、社会人になると記憶漏れが増えた――そんな経験のある方も多いはずです。業務中は上司や同僚、顧客の呼びかけ、電話対応などで一つの作業に集中し続けられるとは限りません。思う存分時間をかけられれば理想ですが、現実には締め切りの中で成果を出す必要があります。
学校の集団授業でも同様です。全員が理解するまで説明を重ねるのが理想でも、限られた時間で授業を完結させねばなりません。個別指導でも、丁寧にやりすぎてテスト範囲が終わらないのは本末転倒です。
コロナ禍で一時的に学校がオンライン授業へ切り替わった年、近隣校の学習進度は例年より驚くほど順調でした。普段は学期末に“帳尻合わせ”が起こりがちな単元も、ほぼ予定通りに終わったのです。
なぜでしょうか。
私の仮説はこうです。対面授業では、先生は子どもの表情やつぶやき、筆記の止まり方から“理解の引っかかり”を察知し、説明の追加・板書の増量・演習の上積みを行います。これは学びの質を高める一方、時間が膨らむ要因にもなる。オンラインではその微細なサインを拾いにくく、結果として説明の追加が起きにくい=進度が落ちにくい。つまり、わかりやすさ(丁寧な介入)と効率(進度)はしばしばトレードオフなのです。説明が丁寧であるほど時間はかかりやすい――これは教育現場の現実です。
質を落とさず、時間も浪費しないために
「丁寧でわかりやすい授業」は当たり前の前提です。ただ、すべての生徒に常に同じ濃度の説明をすると、理解が進んでいる生徒や、2周目・3周目の復習中の生徒には冗長になります。
そこで当塾では、学習段階に応じて説明の厚みを可変にします。
初学者・つまずき中:手順の意味づけ、例題の分解、確認問題まで丁寧に(理解を“作る”モード)
得意層・2周目以降:要点だけを手短に確認し、問題演習→リトライのループを高速回転(定着を“固める”モード)
同じ単元でも、説明量・演習量・到達チェックの設計を切り替えることで、必要な生徒には“わかりやすさ”を、仕上げ段階の生徒には“効率”を、それぞれ最大化します。
コンパクト授業の使いどころ
得意単元の仕上げ:類題3題→手順の口頭確認→同型リトライで“型”を固定
直前期の再現性向上:誤答分析→原因別ドリル(計算ミス/条件読み落とし 等)を短サイクルで回す
定期テスト直前:頻出だけを束ねた“要点だけ版”で最短距離の得点化
ポイントは、**説明を削るのではなく“重複説明を削る”**こと。すでに理解している部分に時間をかけず、ボトルネックだけに的確に時間を投下することが好ましいです。
また、学習意欲が低い生徒には、あえてコンパクトな説明にとどめる場合があります。長い話を聞き続けるのが難しいときは、最低限の説明でさっと着手し、手を動かしながら理解を深める方が進むことがあります。逆に最難関レベルを目指す生徒の場合、通常よりも多くの知識を身につける必要があるため、単元によっては、どうしても説明が長くなってしまうこともあります。
結局のところ、一人ひとりの得意不得意や性格、学習状況に応じて、個別に最適な学びを設計することが学習効果を押し上げます。
まとめ
・対面の丁寧さは質を上げる一方、進度は遅くなりがち。
・オンラインは進みやすいが、理解の微調整は起きにくい。
・当塾は、初学は厚く/復習はコンパクトに切り替えることで、質と効率の最適化を図ります。
「わかりやすさ」と「効率」は、目的と段階で配合を変えるもの。
お子さま一人ひとりの今に合った濃度で、最短で“できる”を積み上げていきます。
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