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【青学の国語】「みんなと同じ」でなければいけないのか――入試評論から考える「文化」と「居場所」【新・個別指導アシスト習志野校】

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学校や部活動には、それぞれ独特の「空気」があります。


「昔からこうしているから」
「みんなそうしているから」
「ここでは、それが普通だから」


こうした言葉は、集団をうまく動かすためには便利です。全員が好き勝手に振る舞っていては、学校も部活動も社会も成り立ちません。一方で、ときどきその「普通」にうまくなじめない人もいます。そんなとき、問題があるのは自分なのか。それとも、自分が合わせようとしている「普通」の側なのか。


青山学院大学文学部の国語で出題された徐京植(ソ・ギョンシク)の評論を読んでいると、そんな簡単には答えの出ない問題を考えさせられます。


「同じ文化を共有する」ということ

私たちは普段、「文化」や「伝統」という言葉を比較的よい意味で使います。

地域の伝統を守る。
学校の文化を受け継ぐ。
同じ価値観を持つ仲間とつながる。


共通するものがあるからこそ、人は集団に安心して所属することができます。しかし、徐京植の文章が考えさせるのは、その反対側です。「私たちは同じ文化を共有している」という感覚が強くなるほど、その文化にうまく当てはまらない人は、集団の外側に押し出されることがあります。


内側にいる人にとっては、ごく自然な「普通」。


ところが外側にいる人から見ると、それは必ずしも自然なものではありません。文化は人を結びつける一方で、ときには「ここにいるためには、この条件を満たしてください」という境界線にもなります。「みんなと同じ」であることが安心を生むのと同時に、「みんなと違う」人を居心地の悪い場所へ追いやることもある。同じものが、両方の働きを持っているわけです。


「はみ出している」のは誰なのか

入試問題の文章には、西洋の音楽文化とユダヤ人の音楽家たちをめぐる話も登場します。既に存在する強い文化の中に入ろうとすれば、その文化が持つルールを学ぶ必要があります。しかし、完全にそのルールへ溶け込んでしまえば、自分がもともと持っていたものは失われてしまうかもしれない。


反対に、そこから離れてしまえば、今度はその世界に参加すること自体が難しくなる。「合わせるか、拒絶するか」という二択では済まない複雑さがあります。そして興味深いのは、そうした境界にいる人たちが、ときに既存の枠組みにはなかった新しい表現を生み出してきたことです。これは、「周囲と違う人ほど優れている」という話ではありません。違和感を持った人がいつも正しいわけでもなければ、昔からあるルールがすべて間違っているわけでもありません。ただ、ある集団の基準にうまく当てはまらないというだけで、その人自身に何かが欠けていると決めつけることもできないのでしょう。



「普通」は、誰にとっての普通なのか

学校生活でも、似たようなことはあります。クラスの空気。部活動の慣習。友人同士の暗黙の了解。多くの人にとって何でもないルールが、別の誰かにはとても窮屈に感じられることがあります。


そのとき、「自分に協調性がないからだ」と考えることもできます。

反対に、「周囲がおかしい」と考えることもできます。


しかし、おそらく現実はそこまで単純ではありません。集団で生活する以上、ある程度は周囲に合わせる必要があります。その一方で、何にでも無条件に合わせ続ければ、自分の感覚まで分からなくなってしまう。


では、どこまで合わせるのか。
どこからは譲らないのか。


これは学校だけでなく、大人になってからも何度となく出てくる問題です。



入試問題に、答えのない問いがある

国語の入試問題には、当然「正解」があります。傍線部の意味を選び、筆者の主張を読み取り、設問の条件に合う答えを出さなければ点数にはなりません。ところが、そこで扱われている文章そのものには、必ずしも一つの正解があるとは限りません。「みんなと同じ」であることは、安心なのか、窮屈なのか。伝統は守るべきものなのか、疑うべきものなのか。集団からはみ出したとき、自分を変えるべきなのか、それともその違和感を大切にすべきなのか。


こうした問いに、入試の解答欄は用意されていません。


だからこそ、試験が終わったあとにもう一度文章を眺めてみると、問題を解いていたときとは少し違う面白さがあります。


「普通って、そもそも誰が決めたんだろう」


そんなことを考え始めた時点で、国語の問題はもう、単なる試験問題ではなくなっているのかもしれません。



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